年齢を重ねることで、人の身体の様々な機能に衰えが出始める。
老眼や緑内障などの眼のトラブル、ひざや腰など運動器のトラブルもよく耳にする。
このような複数の変化の中でも、顕著に表れるのが耳のトラブルである。
聴覚は60歳を超えると徐々に機能が低下していき、高音が聞き取りづらくなる症状が現れるようになる。
老人性難聴とも言われるこの症状は、日常会話の不自由さによるストレスで鬱を併発するケースも少なくない。
若い時に比べて人との会話がスムーズに行かなくなったと感じた時は、補聴器などを利用して早急に改善することが大切である。
老人性難聴の詳しい説明:〈知っておきたい老人性難聴のこと〉
聴覚と並ぶ高齢者ならではの身体の変化に、味覚も挙げられる。
味覚は甘みをはじめとした5つの種類に分けられるが、年齢を重ねると徐々に塩味に対して鈍くなるのが特徴だ。
正常な味覚でしょっぱいと感じるレベルでも物足りなさを感じてしまうため、料理をする時に目安を超える塩分を投入してしまうことがある。
その結果、塩分過多による高血圧などの病気に掛かってしまう事例も多いのが実情だ。
聴覚のトラブルと違って味覚は自分で自覚をすることが難しいため、家族など周囲の人が注視する必要がある。
そのほか、時代の移り変わりで徐々に増加傾向にあるのが認知機能の低下である。
認知機能の低下は、症状が進行するとアルツハイマー型認知症を併発することがある。
認知機能の低下を度忘れと誤認して放置し、症状が進行してから気が付くケースも珍しくない。
物忘れにしても老人性難聴にしても、何かしらの違和感が出始めたら専門医に相談をして、検査をすることが重要になる。