老人性難聴の具体的な症状と基礎知識

 老人性難聴は、文字通り加齢によって聴力の低下が起きることである。
単に耳が聞こえづらくいなら他の原因も考えられるが、老人性難聴はいくつかの特徴的な症状があるため、それに当てはまる場合は可能性を疑うべきだ。
まず、聴力の低下は高音域に集中し、中低音への影響は少ないことが多い。

 また、両耳が同じスピードで衰えるのも特徴だ。
左右片方だけ聞こえづらいと言うような症状だと、別の病気が疑われる。
他には、物音を聞き取る能力に比べ、言葉に対しての感度が大きく下がるのもこの病気の症状の一つだ。
単純な生活音は聞こえるものの、会話の聞き取りになると苦戦しやすい。

 他人から見た場合は、生活音は聞こえているようだが、会話中に何度も聞き返してきたり、不自然に大声で喋るようになると注意を要する。
また、生活音は会話に比べて聞こえやすいものの、やはり低下するケースが多い。
特に高音域が聞こえないため、自転車のブレーキなどを聞き落とし、事故に遭遇するリスクもある。
もしこのような傾向が見られれば老人性難聴の疑いがあるので、対策を検討したい。
放置すると本人は社会から孤立したり、うつ状態になる可能性がある他、交通事故に巻き込まれる可能性も増してしまう。
治療は現在、有効な手段は見つかっていない。
ただ、補聴器を用いれば生活の質は改善するので検討しよう。
何も聞こえない世界に慣れているので、補聴器を使うと騒がしいと感じるケースが多いが、練習すれば違和感は少なくなる。
信頼できる医師に相談の上、検討してみるのがおすすめだ。